レインボウステージに高々と響く、マイルズ・ケインの「ロックンロール!」の絶叫! ルーツ色あふれまくりの濃密な音をぶん回しながら、それこそ60年代のロック・スターのように、衝動を抑えきれないといった様子で毎秒毎秒身体を躍動させ、身をよじりながらギターをかきむしり泣きの高音フレーズを紡ぎ、哀愁と憂い越しのメロディの極点を描き出していく。
リトル・フレイムス/ラスカルズ/ラスト・シャドウ・パペッツといった数々の舞台で育まれた……というか、彼の前に歩むべき道を作り彼の後に確固たるキャリアを築いてきたとめどなき才気が、ソロという形で咲き乱れまくり。オアシスを生んだUKロックの遺伝子は、確実にここに息づいている!と思わせてくれるホットなアクトだった。(高橋智樹)