最初のMCで依与吏が「ダンサーは出てきません(笑)」と言っていた通り、客席内のサブステージ以外は特別な装置や演出も特にない、質実剛健と言っていいステージ。
ただし、照明/映像/ステージデザインは非常に洗練されていてハイクオリティで、最初から最後まで一瞬のストレスもなく心地よくライブを楽しめた。
1曲目が「瞬き」。
つまりベストアルバムの超大ヒットで一つの季節に句読点を打ったback numberの、新しい季節(というよりも彼らの場合は「新しい闘い」のほうが正しい)の第一歩の曲だ。
back numberは次へと歩き始めている、という意味を込めての1曲目だと思う。
そして、MCでレコーディングの話が語られていたということは、このドーム・ツアーと同時進行で制作も進めているのだろう。
文字通り、back numberは次へと進んでいるのだ。
お馴染みのヒット曲群も勿論、一曲一曲魂を込めるように演奏され、ドームの端にまでしっかりと届いた。
依与吏の声は絶好調で、強く、伸びがああり、熱を帯びたあの声で最後まで完璧に歌いきった。
今回も依与吏はMCで「ライブは得意じゃない」と言っていたが、去年の " All Our Yesterdays Tour 2017"よりもさらにバンドの「肉体性」も曲の魂の伝わり方も遥かに増していて、もう明らかにback numberはライブ・バンドである。
ドームでそれは証明されたと思う。(山崎洋一郎)
back numberを京セラドーム大阪で観た
2018.10.28 21:09