ビリー・アイリッシュ
ペール・ウェーヴス
ドリーム・ワイフ
IAMDDB
ホワイ・ドント・ウィー
ルエル
いよいよ今週末に開催を控えた「サマーソニック 2018」。サマソニと言えば毎年絶妙な早耳タイミングでブッキングされるニューカマー勢が話題だが、今年もこの夏出会っておくべき最旬のアクトが勢ぞろいしている。ここではとりわけ必見のニューカマーを曜日毎にピックアップ。まずは東京8月18日（土）編です！
Billie Eilish
この日はLA出身の弱冠16歳、ビリー・アイリッシュから話を始めないわけにはいかないだろう。そのエアリエルでセンシュアルなエレクトロポップはラナ・デル・レイを彷彿させる一方で、ドラマ『13の理由』でフィーチャーされた“Bored”で、大きな秘密を抱えた傷つきやすい主人公の少女の心境とリンクする鮮烈な印象を残した例を挙げるまでもなく、不機嫌で不安定な少女の生々しい吐息がスムースなサウンドの表面で棘のように主張している。まさにロード以降の眩しすぎる才能なのだ。実兄のFinneas O'Connellとふたりで作り上げたデビューEP『Don’t Smile at Me』が大ヒット、チャーリーXCXやショーン・メンデスもビリーの大ファンを公言するなど、年内リリース予定のデビュー・アルバムを前にすでに最大級のバズを巻き起こしている彼女。ここではカリードとのコラボも話題、ストリングスのフィーチャーにも怒涛の成長期が刻まれた“lovely”のミュージック・ビデオを。
また、こちらのマイケル・ジャクソン“Bad”のオリジナルすぎるカバー・セッションも、彼女のポテンシャルがビシバシ感じられる仕上がりで必見です。
Pale Waves
ずばり「ガールズ・デー」と言っても過言ではないほどジャンル問わず要注目のガールズ・ニューカマーが勢ぞろいしたこの日、UKインディー・ポップの急先鋒として登場するのがペール・ウェーヴスだ。ゴス・ビジュアルに似合わぬ軽妙でオープンなエレポップで一般人気をがっちり掴み、その軽妙ポップに似合わぬザ・キュアー直系の内気で拗らせた詞世界とダークなバンド・プレゼンで、インディー・コア層のハートもがっちり掴むという反則技のハイブリッドである彼女たち。レーベルの先輩でもあるThe 1975の全面サポートを受け、瞬間着火的ブレイク。待望のデビュー・アルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』のリリースを9月に控え、最高のタイミングでの初来日だ。
Dream Wife
ペール・ウェーヴスがUKインディー・ポップの急先鋒だとしたら、ドリーム・ワイフはUKインディー・ギターの期待の星。しかもクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジをトリに頂いた東京初日のMOUNTAIN STAGEの強面ラインナップにあって気迫負けしないごりっとハードなプレイが期待できる逸材。90年代オルタナの無邪気なオマージュをポップに決めるセンスにも注目です。ここでは彼女たちの体温が直に伝わってきそうなロンドンのラフトレードでの超至近距離インストア・ライブ映像を。
IAMDDB
一昔前まではグライムのマッチョな野郎イメージが強かったUKヒップホップだが、近年は急速に多様化が進んでおり、そのルネッサンスを象徴する才能の一人がIAMDDB。“Drippy”のようなトレンディなトラップ・チューンを聴くと彼女がマンチェスター出身だというのに驚かされるが、そこにジャズやネオソウルをたおやかに取り込んでいくマナーは、まさにメルティングポットとしてのマンチェ気質が漲っている。東京日曜日のジョルジャ・スミスと並んで要注目、この日のSONIC STAGEでケレラにバトンを渡すというポジションも完璧です。
Why Don’t We
と、いうわけでガールズ・パワー炸裂の4組をまずはご紹介した東京初日だが、男子も実は侮れない。特にショーン・メンデスが登場するMARINE STAGEはポップ系ボーイズ・アクトの青田買い場と化している。例えばこのホワイ・ドント・ウィー。ワン・ダイレクションを彷彿させる5人組フォーマットでエレクトロやヒップホップを標準搭載した、究極の今様ポップスをやっている彼ら。ここではエド・シーランが楽曲提供した“Trust Fund Baby”のミュージック・ビデオを。
Ruel
最初に紹介したビリー・アイリッシュは16歳だったが、このRuelに至ってはまだ15歳！ 声変わりしたばかりのナイーヴな歌声も含めて未知数な部分も多いが、だからこそ今後の飛躍と変貌に期待を抱かせるという、まさに2010年代の早熟なアンダーエイジが歩むべき出世街道をまい進する、ショーン・メンデス・タイプの逸材だ。ここではBeats By Dr. DreヘッドホンのCMにも起用されて大ヒットした “Don’t Tell Me”のミュージック・ビデオを。
（粉川しの）
