来日迫る! ジェネレーション・アックスでの“ボヘミアン・ラプソディ”完璧再現を大胆予告したスティーヴ・ヴァイが自ら明かす「ギター人生の始まり」

来日迫る! ジェネレーション・アックスでの“ボヘミアン・ラプソディ”完璧再現を大胆予告したスティーヴ・ヴァイが自ら明かす「ギター人生の始まり」

ギター超人たちの饗宴、ジェネレーション・アックスの約2年半ぶりとなる日本上陸が近付きつつある。このプロジェクトの首謀者であるスティーヴ・ヴァイは、ロッキングオン11月号に掲載の最新インタビューのなかで、クイーンブライアン・メイに対する敬意を語りつつ、「日本公演では“ボヘミアン・ラプソディ”をやる。5本のギターでフレディのボーカル・パートを完璧に再現する」と予告しているだけに、これはクイーン愛好家たちにも見逃せないライブになることだろう。

今回の取材時、スティーヴは自らの音楽的な生い立ちについてもたっぷりと語ってくれているのだが、ここでは彼があまりに饒舌すぎたために誌面に載せきれなかった〈ギターとの出会い〉についての発言をお届けすることにしよう。彼が最初にギターを手に入れたのは13歳の頃で、友人から5ドルで買い受けたという逸話があるが、「そのギターは今も保管されているんですか?」と尋ねると、次のような詳しい回答が返ってきた。

いや、残念ながらあのギターはもう手元に残っていないんだ。3番目に買ったギターが初めて手にした本格的なギターなんで、それは今でも壁に掛けてあるけどね。最初にギターに恋に落ちたのは、多分、5歳か6歳の時のこと。たまたま学校の音楽室に入っていったら、壇上で上級生、といっても9歳くらいの子がギターを弾いてる姿を目にしたんだ。その瞬間、自分のなかで何かが目覚めたような、覚醒して新たな人間に生まれ変わったみたいな衝撃が走った。いまだにはっきりとした映像で憶えてるよ。その時の音楽室の壁の色から、その男の子の姿形や服装、音楽室の匂い、そこに置いてあった椅子の色に至るまで全部ね。それくらい自分の人生にとって決定的な瞬間だったわけさ。

ギターってものを初めて目の前にして、畏怖の念を抱かずにはいられなかったし、もうただただ美しく見えてね。たった9歳の男の子がギターを肩から下げて音符を繰り出す姿が、自分には神のように思えた。その瞬間、完全にギターに心を奪われてしまったんだ。



ただ、実際に自分がギターを手にしたのは、もっと後になってからで、12歳からなんだよ。それにはいくつか理由があるけど、単純に、どこでギターを手に入れたらいいのかわからなかったというのもある。それと、ギターに対してこの世のものと思えないほど美しい高尚な天上の楽器みたいなイメージを抱いてたんで、自分みたいな素人のガキが迂闊に手を出してはいけないって想いもあった。あの素晴らしい楽器を手にするからには、自分もそれに相応しい人間にならなくちゃ、とね。せめて自惚れでも自分はカッコいいと思えたらよかったんだけど、それすらできなかった(笑)。

ただ、12歳の時に、姉が『レッド・ツェッペリン II』を家に持って帰ってきて、あのアルバムを聴いた瞬間、自分の運命は決まったようなもんでね。自分は何がなんでもギターを弾かないと、という使命感に駆られたんだ。当時はギターの弾き方なんて一切知らなかったくせしてさ。そしたら絶妙なタイミングで、友達が5ドルでギターを譲ってやるっていうんで、それで最初に自分のギターを手に入れた。それ以来、一切迷わず今に至るまで突き進んでるというわけさ。


スティーヴにギターへの憧れを抱かせた推定9歳の上級生、彼にレッド・ツェッペリンと出会う機会をもたらしたお姉さん、そして彼に5ドルでギターを売りつけた友人。なんだかそのまま映画にでもなりそうな物語だ。

今や誰からも完全無欠で万能なギタリストと認識されている現在の彼は、そうした指摘に対して「この俺が? そんなふうに言われると落ち着かない」などと答える謙虚さの持ち主でもある。11月下旬、ジェネレーション・アックスでの再会を楽しみにしていたいところだ。(増田勇一)



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