去る3月13日から21日にかけ、東京、広島、福岡、大阪の各地で公演を行なったディープ・パープル。
デビューから55年を経てきたこのバンドに、「ハードロックの生ける伝説」といった謳い文句が掲げられることに違和感をおぼえる読者はいないだろう。
ただ、彼らの歴史的名盤や波乱に満ちた変遷ばかりが重要なわけではなく、バンド自体が今、新たな局面を迎えているという事実にも注目したい。
長年にわたり貢献を重ねてきた超絶ギタリスト、スティーヴ・モーズが重病の妻に寄り添いたいとの理由から昨年夏に脱退。
そこでピンチヒッターとして起用された、サイモン・マクブライドをそのまま正式な後任者として迎えた形で行なわれた今回のツアーは、その新体制の日本でのお披露目の機会となった。
アイルランド出身で、さまざまな活動歴に加えて音楽大学で教鞭を執っていたりもするサイモンは、この4月9日で44歳になる。
彼が加わったことでバンドの平均年齢は辛うじて60代になったが、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーはすでに77歳、イアン・ペイスとドン・エイリーも74歳になっている。しかし、その堂々たるライブパフォーマンスは、過度なレイドバック感とは無縁のものだった。
何が起こるかわからないようなスリルはさすがにもうないし、年齢に抗うような若づくりをしているわけでもない。ただ、説得力と威厳に満ちたそのたたずまいには、有無を言わせぬ圧倒的なものがあった。
ロッキングオン5月号では、今回のジャパンツアーの幕開けを飾った、3月13日の日本武道館公演の模様をレポート。
このバンドの初来日や分裂、再結成といったさまざまなドラマが刻まれてきた由緒あるこの場所で、彼らはどんなパフォーマンスを披露したのか? 是非お読みいただきたい。(増田勇一)
ディープ・パープル来日公演レポートが掲載されるロッキング・オン5月号は、4月7日(金)発売!