オンエア中のドラマ『信長協奏曲』の書き下ろし主題歌であり、『祈り~涙の軌道/End of the day/pieces』以来実に2年7ヶ月ぶりとなるCDシングルのタイトル曲“足音〜Be Strong”。雄大なストリングス・アレンジとともに響き渡るロック・バラードのスケール感はもちろんのこと、この楽曲で何より胸震わされるのは、《夢見てた未来は/それほど離れちゃいない/また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!》と晴れやかに歌い上げる桜井和寿の視線が「稀代の武将の生き様」や「タイムスリップに翻弄される数奇な運命」をも俯瞰しきった上で、「僕らひとりひとりの足音が、やがて時代を動かし歴史を動かす原動力になる」という命題を真っ直ぐ指し示していることだ。5月に配信限定シングルとしてリリースされていた“放たれる”(映画『青天の霹靂』主題歌)の情感豊かな包容力。音楽の多幸感そのものの“Melody”……無防備に己を解き放てば解き放つほどポップ感と強さを増し、一歩一歩着実な歩みの果てに日本を代表するモンスター・バンドへと至ったMr.Childrenのマジックを象徴する輝きに満ちた1枚。(高橋智樹)