曲には浮遊感・高揚感が効いていて、言葉には雪国の暖かさ・温かさを感じることができる。リード曲の“冬の向日葵”では寒さのなかにいつまでも見ていたい笑顔や消えてほしくない愛を歌う。
冒頭曲“CAPITAL MORNING”では僕と君、夜と朝、寒さと暖かさの関係をリズミカルに描いている。ラブリーサマーちゃんをゲストヴォーカルに迎えたこの楽曲では、彼女の切なくエモいヴォーカルにより、歌詞の世界観を等身大の心情や実感とおおいに重ねることができる。
FOLKSにとって、目の前にある冬という季節や人の心情に対するリアリティをまとう描写がいちばん心を温かくしてくれるのだろう。暖かい冬ではなく、冬の暖かさが切実で大切なのだ。そういったあふれるリアリティを受け取ることでようやく春に向かうことができる。(佐藤慶一)