この落ち着きの悪さの源は恐らく、意識的に排除された起承転結であり、「365日循環している感情」について歌われている曲に相応しい、終わりと始まりの境界が緩やかに溶け出していく、不穏な平熱とでも呼ぶべき状態によって生み出されているものだ。
ぱっきりした起伏とコントラストが効いた構築系の傑作だった“マイム”とこれまた対照的で、いかに論理的にアブストラクトたれるか、という矛盾を孕んだ課題と向き合った意欲作だ。
続く“カオスリロン”はむしろ“マイム”で得た構築をベースにそこから自由に応用と展開を試しまくってみた、といった趣のドライヴ感が痛快な一曲。いずれの曲も“マイム”との比較・飛距離でもって語ってしまって申し訳ないのだが、それだけあの曲はエポックメイキングだったのだ。(粉川しの)