これぞ生演奏の醍醐味

ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ・フィーチャリング・エンディア・ダヴェンポート『ライヴ・アット・ザ・ソウル・キッチン』
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ALBUM
ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ・フィーチャリング・エンディア・ダヴェンポート ライヴ・アット・ザ・ソウル・キッチン
アシッド・ジャズ大御所の昨年11月のライヴ。近作の充実から予想できる通り、本作もバンドの好調さを反映した楽しい内容。主要メンバーは結成時から変わらず。70年代のソウル~ジャズをベースにした、温かみのある人力ファンクを縦横に展開していく職人サウンドも変わらない。昔からライヴ盤が多いのは、演奏力に自信があるからだろう。生身の人間がぶつかり合い交錯する瞬間のエネルギーがここには詰まっている。

本作は1990~95年と2005年~13年に在籍し、ファンの間では歴代最高ヴォーカリストとして人気の高いエンディア・ダヴェンポートが全曲で歌っているのがポイントで、取り上げている楽曲も91~97年が主という彼らの全盛期のヒット・シングル中心の大サーヴィス盤。エレクトロニックな打ち込みダンス・ビート全盛の今では完全にオールドスクールなスタイルだが、こういう音楽は古くならないし、自然にカラダが揺れるヴァイブレーションには抗いがたい。終始リラックスした雰囲気で、ぐいぐい盛り上げる。古くからのファンはもちろんマストだが、新しいリスナーにぜひこのナマのグルーヴの心地よさを体験してもらいたい。(小野島大)
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