物語の復権、批評としてのロック

avengers in sci-fi 『Dune』
発売中
ALBUM
avengers in sci-fi  Dune
初のゲストボーカルとしてタカハシマイ(Czecho No Republic)を迎えた煌びやかでチャーミングな先行曲“Still In A Dream”によって、がぜん期待が高まる中ドロップされる約2年ぶり通算6枚目のアルバム。鬼才デヴィッド・リンチのSF映画にインスパイアされたという本作は、期待を遥かに上回る、いや、ある意味では大きく裏切るような、極めてコンセプチュアルかつ壮大な野心作となった。扇情的なビートと電子音、高電圧のギターリフ、ダンスもプログレもポストパンクも飲み込んだ多彩なサウンドデザイン――それらが描き出す近未来の荒廃したディストピア(=Dune/砂丘)は現代を批評的に照射し(もっと言えば快楽主義的な今のロックシーンの欺瞞を暴き)、どれだけテクノロジーが進化しようとも埋められない孤独を抱えた我々の宿業を浮かび上がらせる……。敢えてフォーカスを絞った前作と比べて、神話的スケールの物語性が大きく復権したことが本作を新たなアベンズの最高傑作たらしめた所以だろう。この『Dune』を全身で堪能できる6月からのワンマンツアーが楽しみでならない。(奥村明裕)
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