ブルーノのなりきりブラコン探訪
ブルーノ・マーズ『24K・マジック』
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ALBUM
約4年ぶり3作目となるアルバム。噂されていたスクリレックスとのコラボ曲は、収録されなかった。両者から良好な手応えのコメントが発せられていたものの、最終的な結実を見るには至らなかったようだ。先行シングルのタイトル曲はトーク・ボックスをフィーチャーして始まるアーバンかつ華やかなファンキー・ポップであり、JBがエレクトロを乗りこなすような“パーマ”など、前半はアッパーな展開が続く。“アップタウン・ファンク”以降の流れとして合点がいく内容だ。ところが、後半は一転、ルーサー・ヴァンドロスやジャム&ルイス影響下のアーティスト、またベイビーフェイスを彷彿とさせるブラック・コンテンポラリーな音作りで、ソウルフルな歌心が目立ってくる。ブルーノのチーム(今回はなぜかシャンプー・プレス&カールという名義)による作曲センスとレンジが光るのだ。コンシャスなニュー・ジャック・スウィングをかます“フィネス”から珠玉のバラード“トゥー・グッド・トゥ・セイ・グッバイ(さよならは言えなくて)”へと至る終盤も素晴らしいが、はたと思う。もし、この作風の中でスクリレックスとの共作曲が完成していたら、どうなっていたのだろう。(小池宏和)