正直、ブラック系の2枚組って通して聴けない作品が多いんで(旦那さんの『ブループリント2』とか)、今作に対しても最初は懐疑的だったし、完璧だった『ビー・デイ』とは違い、捨て曲がないとは言い切れないのは辛い。だけど、白黒に統一されたアートワーク、そしてこれまでのように最先端にこだわるのではなく、あえて名の知られていないプロデューサーを多く起用していることからも伝わってくる、彼女がこの作品で掲げた、時代もジャンルも超越したボーダーレスでピュアなメッセージには感動せざるを得ない。特に歌詞。プロモーション熱心のわりには、取材などでプライベートをほとんど明かさないビヨンセだが、『アイ・アム』で赤裸々と告白している愛がすべてジェイ-Zに寄せたものかと思うとこっちが小っ恥ずかしくなってしまうほど、リリカルかつ率直。ファンとしては嬉しい作品だ。
絶対に注目して欲しいのは各ディスクの2曲目。向かうベクトルはまるで違うのだが、それぞれエピカルな2曲は今後も彼女のキャリアの中で、燦然と輝くだろう。(内田亮)
