「憑依」はアートだと思う

岡崎体育『XXL』
発売中
岡崎体育 XXL
「あれを撮る以前から、2発目3発目の構想があったので、緊張せずにあれを作れた」。“MUSIC VIDEO”で大注目を浴びたあとにインタビューしたらそう言っていたのだが、この2ndアルバムに先んじて公開された、曲もMVもラウド系バンドを模した“感情のピクセル”が1週間で200万再生を突破、その言葉を立証した岡崎体育。あと、この曲はラウドロックに憑依しているが、歌ものEDM的な曲も、それが彼の基本線なわけではなくて、その曲はそういう音に憑依しているのだということも改めてわかる。憑依なしで素で書いたっぽいインディー時代の曲“鴨川等間隔”が再録されているが、「素の曲もいい」なんてことは前からわかっていたわけで、逆に憑依型の新しい曲たちが“鴨川等間隔”のような普遍的な曲に拮抗するポテンシャルを持っていることのほうに驚くべきだと思う。このアルバムを最後に表舞台から退くとか言い出しても驚かないかも。と思うくらい、高いレベルでやりたいことをやりきっている。売れると思うし、売れるべきだとも思う。ファンクと英語に憑依した3曲目が特に好きです。(兵庫慎司)
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