「解けない魔法」を形にするために

SEKAI NO OWARI『RAIN』

2017年07月05日発売

SEKAI NO OWARI RAIN
どこまでも美しい、ポップミュージックの黄金律そのもののようなミドルテンポのピアノの調べ。誰の心にも忍び寄る闇を急速ネガポジ変換するための「裏の裏は表」的な劇薬としてのポップソングではなく、《いつか虹が消えてもずっと僕らは空を見上げる》のフレーズのとおり、メロディと言葉とサウンドの力で柔らかく、そして力強く聴く者すべてを包み込む「救い」の風景を描き出そうとする、SEKAI NO OWARIが今こそ鳴らせる音楽の磁場が、この“RAIN”という楽曲には確かに備わっている。

《魔法はいつか解けると 僕らは知ってる》――映画『メアリと魔女の花』主題歌として書き下ろされた“RAIN”。魔女の国へ向けて旅立つ少女メアリの揺れる心に寄り添うこの曲は同時に、時間が経てば終わってしまう音楽という名の魔法の刹那性を痛感しているであろうセカオワが、それでも自らの音楽の果てに少しでも確かな「永遠」を追求する決意表明のようにも響いてくる。《虹が架かる空には雨が降ってたんだ》というシンプルな言葉で、僕らの「雨」を過去の記憶へ昇華させる、珠玉の名曲。(高橋智樹)

最新ブログ

フォローする