これ以外のタイトルは考えられない

星野 源『ドラえもん』
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星野 源 ドラえもん
11枚目のシングルは、『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌。その主題歌に直球で“ドラえもん”と名付けることができて、しかもそれ以外のタイトルは考えられないと思わせるほどの楽曲を作り上げることは、もはや星野にしかできないことではないか。それほど、作品のテーマと表現したいことが合致した、見事なタイアップ曲なのである。『ドラえもん』が描くのは、私たちが日常に感じる友情や希望や勇気や愛や未来で、それらをひと言で表すのであれば、やはり“ドラえもん”以外の言葉はないのだと思う。登場人物をさりげなく入れ込んだ歌詞、間奏に挿入される、かつてのアニメ主題歌“ぼくドラえもん”のフレーズなど、遊び心満載のオマージュが、星野のドラえもん愛とともに溢れる。《君が遺したもの 探し続けること/浮かぶ空想から また未来が生まれる》という歌詞も、どこか、原作者である藤子・F・不二雄へのメッセージのように響く。カップリングに収録された“ここにいないあなたへ”も映画の挿入歌で、過去が現在にも生きていることを信じさせてくれるような、これまた大名曲なのである。(杉浦美恵)

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