「国民的存在」に王手

レキシ『ムキシ』
発売中
ALBUM
レキシ ムキシ
三浦大知上原ひろみ手嶌葵等が参加した6thアルバム。このお方の音楽のすばらしさ、シンガーとしてのレベルの高さ、メロディそのものの心地よさ、そのメロディに日本語の響きを活かして言葉をはめていく技の見事さ、ファンクやAORなどを換骨奪胎する手際の巧みさ、特にホーンの音色やパーカッションの鳴りといった細部にまで注ぎ込まれた「ツボな音を突き止める執念」のすさまじさ、などについてはとうに語り尽くされているし、とうに万人に認められてもいるが(現に次のツアーのファイナルは横浜アリーナ2日と大阪城ホールだ)、そのように認められ愛されることによって、ポップソングとしての強度が右肩上がりになっていることが、本作ではわかる。期待に応えようとしたのか裏切ろうとしたのか知らないが、「ウケた」ことのエネルギーがそのまま次の作品に跳ね返ってさらに「ウケる」ものになっていく、というすばらしいループに入っている。こんなに一緒に歌いたくなるレキシ、初かも。マジでそろそろ紅白だと思う。って、本人が出たいかどうか知らないが、出たら快挙だとも思う。(兵庫慎司)
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