今こそジョーの真価を再探訪

ジョー・ストラマー『ジョー・ストラマー 001』
発売中
ALBUM
ジョー・ストラマー ジョー・ストラマー 001

ジョー・ストラマーの逝去から、早15年以上がすぎた。この間クラッシュ再評価の機会は何度もあったが、解散後のジョーの活動については、未だきちんと顧みられていない印象がある。だから、こういう作品が出るのは本当に意義深いことだ。

メスカレロスで調子を取り戻してからの楽曲はもちろん、苦闘という言葉が目に浮かぶ90年代の音源にも、クラッシュ晩期から開花しつつあった、パンク・ロックの枠にとどまらない豊潤な音楽性の延長として、様々な民族音楽へのアプローチなど誠実な模索を続けていたことを実感できるし、その価値も今だからこそより深く理解できる。

遺された膨大な未発表トラックを丁寧にまとめたディスク2は、ジョーの几帳面さを偲ばせるエピソード(※付属の解説に載っていると思うので必読)も併せて、非常に興味深く楽しめた。最先端のマスタリング技術もスゴいようで、カセットからおこしたものでも音質はしっかりしている。クラッシュの黒歴史『カット・ザ・クラップ』の中では良曲とされる“ディス・イズ・イングランド”のデモも収録されており、この段階では“ホエア・イズ・イングランド”というタイトルだった。完成までにどんな心境の変化があったのか確認する術はもはやないものの、とにかくそうした多くの再発見に興奮できるだろう。熱心な信奉者でない人も、スタンダード版CDでよいので、ぜひ「パンクの神様」という先入観を捨てて向き合ってみてほしい。

ベースにフリー、ギターにトム・モレロほかをバックに迎えた『サウス・パーク』サントラへの提供曲など、USオルタナとの接点も見落とせない。ザンダー・シュロスとジャック・アイアンズが参加してる『アースクエイク・ウェザー』も、これを機に再発されますように。(鈴木喜之)



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ジョー・ストラマー『ジョー・ストラマー 001』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。
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ジョー・ストラマー ジョー・ストラマー 001 - 『rockin'on』2018年11月号『rockin'on』2018年11月号
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