遂に辿り着いたスタンダード

クリーン・バンディット『ホワット・イズ・ラブ?』
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ALBUM
クリーン・バンディット ホワット・イズ・ラブ?

待った甲斐がある、素晴らしいアルバムだ。2014年のデビュー作『ニュー・アイズ』以来、地道にアクトとしての精度とバイタリティを底上げしてきたクリーン・バンディット。その間にもフェス出演含め毎年のように来日公演が行われ、観るたびに成長を遂げてゆく彼らの姿を、熱心に追ってきたファンは多いだろう。ショーン・ポールとアン・マリーを迎えた“ロッカバイ”、ザラ・ラーソンが歌う“シンフォニー”、そして今春デミ・ロヴァートをフィーチャーした“ソロ”と、それぞれにUKチャートを制するヒット曲も生み出し、ひと回りもふた回りも大きくしなやかになったバンドが放つセカンド・アルバムだ。UKガラージとクラシック音楽を融合させたクリーン・バンディットは、アイデア先行の頭でっかち感が否めなかったけれど、そこにタフな肉感と経験が上乗せされている。

まっさらな新曲としてはまずカイルとビッグ・ボーイのUSシンガー/ラッパー2人をゲストに迎えた“アウト・アット・ナイト”が素晴らしい。サウダーヂ感の滲む柔らかなラテン・ビートの上で、官能的なボーカルが交錯するナンバーだ。また、クレイグ・デイヴィッドとカーステン・ジョイ(ライブのサポートでもお馴染み)による珠玉のハーモニーが聴きどころとなる“ウィ・ワー・ジャスト・キッズ”は、記憶に思いを馳せる静謐さを保ちUKソウルの息遣いを滲ませている。豪華絢爛なゲスト陣を迎え、すべての楽曲でアレンジの技巧を冴え渡らせながらも、大仰になりすぎることなく品の良い引き算の美学が光る。“ソロ”MVの縁もあってか12月1日には京都でプロモーション・ライブが行われ、LINE LIVEで配信された。(小池宏和)



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クリーン・バンディット『ホワット・イズ・ラブ?』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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クリーン・バンディット ホワット・イズ・ラブ? - 『rockin'on』2019年1月号『rockin'on』2019年1月号
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