デビュー50周年。巨星が歌う「今」

細野晴臣『HOCHONO HOUSE』
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ALBUM
細野晴臣 HOCHONO HOUSE
偉大なる先駆者として参照され続けてきたはっぴいえんどやYMOとしての活動然り、細野晴臣が手がけてきた音楽には、ルーツを深く探求し、最新テクノロジーをいち早く取り入れながらも、ただ実験に終始することなく「パラレルに存在する現実」を突きつけてくる一面があった。今から46年前に制作されたソロデビュー作『HOSONO HOUSE』のリメイクである本作は、収録曲順が逆さまになっており、“相合傘〜Broken Radio Version〜”に始まって“ろっかばいまいべいびい”で締め括られる。5、6月のアメリカ公演を迎え撃つ“CHOO CHOO ガタゴト・アメリカ編”にもニヤリ。アンビエントやフォークトロニカ、豊穣な生演奏を巧みに配置して楽曲群をアップデートしているのだが、アルバムが進むにつれ時代を遡るようにオーガニックな手応えが強まり、ノスタルジーを誘う印象である。ハンドメイド感たっぷりに名曲を名曲として届けるアレンジの“冬越え”にどっぷりと浸り、《日が沈む国に明日も来るはず》と歌詞が差し替えられた“僕は一寸・夏編”に痺れる。これこそ、2019年の細野晴臣だ。(小池宏和)
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