感情から芽吹いた歌心

teto『正義ごっこ』
2019年04月24日発売
SINGLE
teto 正義ごっこ
喉から心臓に向かって手を突っ込んで、すべての喜怒哀楽をかき出したような渾身の1stアルバム『手』から半年ぶりの、4曲入り2ndシングル。前作からさらに、激情的で荒々しいだけでなく、感情の解像度を上げるための音楽的テクニック、ポップネス、ユーモアが研ぎ澄まされた楽曲が揃う。勢いを保ちながら余裕が生まれたサウンドはよりダイナミックに。その結果、小池貞利(Vo・G)の歌心が存分に花開いた。

小池の人生哲学やポリシーが歌詞に綴られた“夜想曲”は緩急が効いたパンキッシュなサウンド。言葉の強さをクリアに届けることに成功しているのは、彼らには珍しい哀愁的なマイナーキーの和メロも影響しているのでは。詩人センスが光る“ラムレーズンの恋人”は多彩な音色が楽曲のロマンチシズムを豊潤にし、春と卒業の郷愁が描かれたバラード“時代”はストレートでピュアな想いと情熱的な歌声が胸を打つ。“こたえあわせ”はteto節に自由度が加わったことで痛快に響く。男子の情けなさや強がり、愛嬌が滲んだ音像に浮かぶ、不器用な泣き笑いが切なくも眩しい。(沖さやこ)
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