人間聖歌

Official髭男dism『宿命』
発売中
SINGLE
Official髭男dism 宿命
ブラスセクションにピアノ、フィンガースナップ、多声のコーラス……と、ゴスペルを基調にした壮大なバラードである“宿命”。個人的にはなんとなくマイケル・ジャクソンの“ウィル・ユー・ビー・ゼア”を連想したが、あの曲でマイケルが偉大な神への畏怖を歌っているのに対し、この曲でヒゲダンが向き合っているのは対峙し乗り越えていくべき存在としての「宿命」だ。もちろんヒゲダンがいきなり神に向けて歌い始めたらビビるわけでありえないのだが、その違いがまさにヒゲダンというバンドをよく表しているなあとも思ったりした。

この“宿命”も含めて、ヒゲダンの曲が歌い続けているのは「人間」、しかもふとした瞬間にくじけたり弱ったりしてしまう僕たちみたいな人間だ。この曲は夏の高校野球応援ソングということもあり、それがよりはっきりと出ている。「涙」や「汗」や「悔しさ」といった人間臭いワードがいくつも詰め込まれた歌詞と、派手さはないが味わい深く優しいメロディを華やかなコーラスが包み込む瞬間に、彼らが見つめ続けてきた人間の生というドラマが凝縮されている。(小川智宏)
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