2020年2月の来日公演もお楽しみに

グリフィン『グラヴィティ』
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ALBUM
グリフィン グラヴィティ

新世代のDJ/プロデューサーたちが続々登場してくる今のアメリカのエレクトロ・ダンス・シーン。そんな中でも、ここ数年、特に「美メロ」好きなEDMファンの間でじわじわ人気を獲得しているのが、ロサンゼルスを拠点に活動するグリフィン(本名:ダン・グリフィス)だ。

グリフィンのEDM的な注目ポイントは、2点ある。ひとつ目は、ひたすらポジティブで、多幸感に溢れるライブ・セットの魅力。EDMにありがちなDJ主体の構成と違い、グリフィンのライブは、エレキ・ギターやキーボードやドラム・パッドといった楽器を自在に駆使しながら、「ロック的」と言っていいほどのハイ・テンションで展開していく。

ふたつ目のポイントは、楽曲がとにかく「エモい!」こと。3月にシングルとして発表された“オール・ユー・ニード・トゥ・ノウ”を筆頭に、どの曲もメロディの美しさに徹底的にこだわっているから、聴く人の心にダイレクトに届くことができる――胸の「ときめき」とか、恋の予感の「ドキドキ」とか、言葉にすると途端に恥ずかしくなる感情をパーフェクトなビートで代弁してくれる、幸せのEDMポップなのだ。

本作は、そんなグリフィンの待望のファースト・アルバム。デジタル配信では10月24日にリリースされ、ビルボードのTop Dance/Electronic Albumsチャートで1位に輝いた。CDフォーマットでは今回の日本盤が世界初リリースとなる。収録曲は、オリジナルの全16曲に、日本盤ボーナスの4曲をプラスした全20曲。内訳を詳しく見ていくと、昨年12月に先行で発表されたEP『Gravity Pt.1』収録の計6曲に加え、その後にシングルとして発表された計4曲(“オール・ユー・ニード・トゥ・ノウ”、“ハート・ピープル”、“OMG”、“バゲッジ”)と、本作用に書き下ろされた新曲が計6曲という内容。日本盤ボーナスの4曲は、いずれもキャリア初期に発表されていたシングル曲だ。

グリフィン・ワールドの基本となるサウンドは、メロディック・ハウス路線のダンス・ミュージックで、本作ではその魔法をとことん堪能できる。一方で、最近の楽曲はポップ寄りのアプローチも増えていて、その好例がカーリー・レイ・ジェプセンとの初コラボ曲で、のっけからバウンシーに跳ねまくる“OMG”。その他にもUKガラージ風の“バゲッジ”や、天使的な浮遊感が心地いい“イフ・アイ・レフト・ザ・ワールド”など、新境地のサウンドも随所で披露していて、デビュー盤にして、さらなる進化形態への期待も膨らみまくっちゃう1枚。(内瀬戸久司)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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グリフィン グラヴィティ - 『rockin'on』2020年1月号『rockin'on』2020年1月号
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