観る人の数だけいろいろな思いがあるはずだ。昨年9月に新木場スタジオコーストで行われたエルレガーデンの活動休止前最後のライブが映像化される。おそらく最初から映像化することは考えられていなかったのだろう。映像は荒く、何台かの手持ちのビデオカメラで記録されたものだ。しかし、だからこそ生々しくあの日の模様といろいろな感情が映し出されている。セットリストを決める打ち合わせ、会場入りの様子、活動休止前最後のリハーサル、本編とアンコールの間に楽屋に戻ってきたメンバーの様子。昨年の夏に出演したロック・イン・ジャパンやフジ・ロックといったフェスでの楽屋裏の様子も、あの日の演奏に挟み込まれる形で収録されている。
この映像を観て個人的に痛感したのは、ステージ上の4人が圧倒的にバンドであること。バンドとは楽器のプレイヤーが単に集まったものではない。運命を共にし様々な思いを引き受け、メンバーだけではない独自の生き物になる。この日、MCの細美の言葉は「なんか勘違いしてる人がいたら言っといて。これが最後じゃないから」だった。(古川琢也)