得てしてそういったライブは観客が受け身になってしまいがちなのだが、この空間は違った。渦巻く生身の熱量が、演出の豪華さを遥かに超えている。妖艶なパフォーマンスを見せる一方で、直接観客エリアに身を投げ出し、ダイレクトに訴えかけるHYDEの気迫に、モッシュやダイブも大量発生の熱狂。「『ANTI』ってアルバムは招待状みたいなもんで、君たちがここに来て初めて完成する」という言葉どおり、掲げ続けた反骨の旗の下で、既成概念や常識からの解放を勝ち取ったのは、オーディエンスのみならず、HYDE自身もだったはずだ。その闘いのドキュメンタリーとして、ロック史に刻みたい作品。(後藤寛子)
「世界観」を凌駕する「リアル」
HYDE『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』
発売中
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Blu-ray&DVD
得てしてそういったライブは観客が受け身になってしまいがちなのだが、この空間は違った。渦巻く生身の熱量が、演出の豪華さを遥かに超えている。妖艶なパフォーマンスを見せる一方で、直接観客エリアに身を投げ出し、ダイレクトに訴えかけるHYDEの気迫に、モッシュやダイブも大量発生の熱狂。「『ANTI』ってアルバムは招待状みたいなもんで、君たちがここに来て初めて完成する」という言葉どおり、掲げ続けた反骨の旗の下で、既成概念や常識からの解放を勝ち取ったのは、オーディエンスのみならず、HYDE自身もだったはずだ。その闘いのドキュメンタリーとして、ロック史に刻みたい作品。(後藤寛子)