「君」への歌の優しさと強さ

sumika『絶叫セレナーデ / 唯風と太陽』
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sumika 絶叫セレナーデ / 唯風と太陽
コロナ禍の影響によるアリーナツアー開催見合わせという現実を、医療従事者や音楽ライブ関係者を支援する基金プロジェクト「Dress farm 2020」という実効的なアクションによって最大限にポジティブな形で克服しつつあるsumika。その在り方はそのまま、でっかい高気圧のような高揚感で触れる者すべてを希望の彼方へと導いていく片岡健太の楽曲世界そのものだし、8月7日に配信リリースされる映画『ぐらんぶる』の主題歌“絶叫セレナーデ”&挿入歌“唯風と太陽”の2曲にも通じるものだ。

晴れやかに咲き乱れるホーンの響きを全身に受けながら、《ステップ×ステップ/トロいそんなスピードじゃ/待っていらんねえ》と灼熱の衝動を疾駆させる“絶叫セレナーデ”。ミディアムテンポのピアノバラード越しにスクールデイズのセンチメントを色鮮やかに活写してみせる“唯風と太陽”――。虚飾や偽りをきれいさっぱり取り払った先にしか描き得ない「君」へのまっすぐな音楽の訴求力が、彼ら自身のアイデンティティとして胸に響いてくる。sumikaの優しさと強さの理由がここにある。(高橋智樹)

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