大海を望むスタートライン

リュックと添い寝ごはん『neo neo』
発売中
ALBUM
リュックと添い寝ごはん neo neo
今年3月に高校を卒業したばかりの3人によるメジャーデビュー作であり1stフルアルバム。高校在学中に制作した初の全国流通盤『青春日記』から2曲、先行配信されたデジタルシングル2曲を含む全10曲を収録している。

『青春日記』でもバラエティに富んだ音楽性と奥行きや余韻を感じさせるサウンドスケープを実現していたが、今作ではさらにそのスケールを拡大。歌詞も楽曲の主人公の心情を手元だけではなく、海や空といった大きなイメージにも重ねて展開しており、地に足のついた音像の“海を越えて”、パーカッションを用いて夏を描く“ホリデイ”、ピアノの効いたスロージャズテイストの“23”など、遊び心に富んだ各楽器のフレーズにより鮮明かつ麗らかに情景が描かれる。目の前の音楽を心から楽しもうとする明朗さのなかに、一抹の焦燥や哀愁を感じさせるのは、10代最後の時間を過ごす若者ならではの高揚だろうか。様々な人生物語が描かれた楽曲が並ぶからこそ、松本ユウ(Vo・G)の等身大の気持ちが率直に綴られた“ほたるのうた”の切実な誠実さがより沁みる。(沖さやこ)

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