これぞバンドマン!な風貌から、徐々に風格を醸し出していく歩みも見ていて楽しいのだが、それ以上に伝わってくるのは、彼らがその時々の状況(お節介な見立てだが予算も含む)の中で、めいっぱい工夫を凝らして、楽曲とバンドの魅力を届けるためのMVを制作していたということ。ひたすら渋谷龍太と海が映る中で、一瞬アカペラが響く“それでも世界が目を覚ますのなら”は、その極みだ。
ラストを飾るのは、音源を再録し、映像も撮り下ろした“東京流星群”。この楽曲がリリースされてから約8年。東京で生まれ、東京で闘ってきた4人の、「今」の東京観、東京愛を感じる。上京や帰郷などで、感情が揺れ動く季節に、きっと寄り添ってくれるはずだ。(高橋美穂)