テーム・インパラと双璧をなす、現代のオーストラリアのロック・シーンを代表するバンド。日本ではまだまだカルト的な認知度に過ぎないが、その存在感はワールドワイドで随一と言って過言ではないだろう。多作で知られる彼らだが、本作は昨年11月の『K.G.』から僅か3ヶ月で届けられた、早くも17作目のフル・アルバムになる。
コロナのパンデミックを受けてメンバーの自宅&リモートで作曲と録音が行われた本作だが、以前の作品に引けを取らない充実の完成度はさすが。ハード・ロックやヘヴィ・メタルを土台に、ワールド・ミュージックも射程に収めた拡張を繰り広げるサイケデリックでプログレッシブな演奏は健在だ。
資料によれば、本作並びに前作は17年の9作目『Flying MicrotonalBanana』の続編にあたるということなので、ぜひ聴き比べもお勧めしたい。(天井潤之介)
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