11作目となるシングルは両A面。先に公開されている“桜が降る夜は”は、シンガーソングライター
あいみょんの、ど真ん中とも言える王道ポップだ。桜の花びらに恋心を重ねたピュアなラブソングで、そのメロディと歌世界にマッチした素直な歌声が強く耳に残る。そして“愛を知るまでは”もまた、あいみょんの「歌」のよさを真正面から受け止めるような楽曲だ。歌声のやさしさ、おだやかさ、強さが、様々な想いを胸にして生きていくすべての人に語りかけるように響いていく。楽曲を聴いているだけで、アコースティックギターをかき鳴らして歌うあいみょんの姿が目に浮かぶよう。《愛を知るまでは死ねない私なのだ!》という一節に、彼女の誠実さがにじみ出る。今作はこの2曲に加え、カップリングとして“ミニスカートとハイライト”も収録。あいみょんのシングル作品におけるカップリング曲には聴き逃せない良曲が多いが、この楽曲もしかり。《イカした彼女のボーイフレンドが/俺だったらいいのに》とさらっと歌うユーモラスな視点。
ミツメのオーガニックなバンドサウンドが、絶妙な匙加減で楽曲を彩る。(杉浦美恵)
『ROCKIN'ON JAPAN』7月号より