TOTO再結成以来のボーカリストにしてプロデュースなどでも活躍しているジョセフ・ウィリアムスの12年半ぶりのソロ作。基本的には耳触りが良く、バランスの取れたAORが並ぶが、エレクトロ・ポップ仕立てのタイトル・ナンバーやサウンド・プロダクションに凝ったものなど、ふところの深さを余裕で披露していく。
盟友スティーヴ・ルカサー(半分近くのトラックに参加)を筆頭に腕利き揃いならではの音を聴くことができる。
聴きものは2曲のカバーで、一つはピーター・ガブリエルがケイト・ブッシュとデュエットした“ドント・ギヴ・アップ”。もう一曲はビートルズの”恋におちたら”で、好きな曲をコピーしまくってた時代に戻ったような仕上がりになっていて、思い入れの深さが素直に伝わり、アルバム全体の風通しを良くしている。(大鷹俊一)
ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
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