「今」に働きかけるためのデジャヴ

ゆず『NATSUMONOGATARI』
発売中
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ゆず NATSUMONOGATARI
5月の「YUZU ONLINE LIVE 2021 YUZUTOWN / ALWAYS YUZUTOWN」で披露された新曲であり、2004年発表の名曲“桜木町”のアフターストーリーとして制作された。曲調はキラキラとしたサウンドトリートメントが施されたコンテンポラリーポップに仕上げられているが、2コーラス目の頭で大観覧車「コスモクロック21」の様子を巧みに描写する構成や、《最後の手を振るよ》というフレーズが織り込まれていたりと、“桜木町”の記憶を呼び起こすトリガーが随所に仕掛けられている。しかもアートワークには、“桜木町”MVのキャストだった石原さとみをフィーチャー。あの頃とは、横浜の風景もずいぶん変わってしまった。記憶に後ろ髪を引かれるようにしながら、人はそれぞれに、あるいは社会としても、《泣きたくなるほど会いたくて 一二三(ヒフミ)数える四五六七夜(ヨイツムナヤ)》を潜り抜けてきたと言えるだろう。過去の時間に押し潰されてしまわないように、この曲は強い推進力をもって軽快に響き渡る。記憶を共有し、そして今の我々に寄り添う、シーン最前線のサバイバー=ゆずだからこそ生み出すことのできた1曲だ。(小池宏和)

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