ジャンルを問わず、ライブの名盤として語り継がれていくべき作品が拡張版として複数の仕様で復刻された。本作が、2015年末に他界したレミー率いるこのモーターヘッドの代表作のひとつであることは、初期の象徴的楽曲が網羅されていることや、これが彼らにとって初のUKチャート首位獲得作となった事実からも明らかだ。
ただ、この表題から誤解されがちだが、ロンドンのハマースミスで収録されたものではない。実際には1981年春の複数の公演からの音源で構成されており、この発売40周年記念エディションでは、その仕様に応じてそれら各公演のフル音源が追加されている。
同時期、ほぼ同内容のライブ音源聴き比べを心底楽しむことができるのはひと握りのマニアだけかもしれないが、装丁などを含め「ファンを自称するなら持っていたい」と思わせる、実に行き届いた内容だ。(増田勇一)
ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
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