結成15周年記念の大阪城ホールワンマンでアナウンスされたニューシングル。瑞々しいシンセフレーズから切り出される、ハーフエレクトロニックなダンスポップだ。このアニバーサリーイヤーには、“eternal”や“アイボリー”といったふうに自然体で肩肘張らない、人生の一瞬一瞬を慈しむような新しいSCANDAL像を描く楽曲が続いていたけれど、この“one more time”はそのモードのまま、軽やかに普段着のパーティを始めてしまう印象だ。作詞はRINAで作曲はMAMI。ロックバンドのソングライターとして魅惑的なエキセントリシティを発揮してきたMAMIが、今や酸いも甘いも噛み分けたド真ん中のダンスポップを手掛けている事実に、幾つもの殻を突き破ってきた成長を感じる。アレンジャーは橋本雄太(ex.踊り場ソウル)。洒脱にして上品なダンス性の華やかさを演出している。一方カップリングの“one more time (PARTY ver.)”は、SCANDALのよりオーガニックなバンド感を楽しめる作風だ(TOMOMIのうねるベースがかっこいい)。本作を携え、彼女たちは10月の対バンツアーへと赴く。(小池宏和)
肩肘張らないふりして実は力作
SCANDAL『one more time』
発売中
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SINGLE