5月にオンラインライブで8曲を披露、また8月から9月にプレリリースツアーを開催し全曲を直接ファンに届けたうえでの、待望のアルバムだ。本作のハイライトを担うタイトル曲“innocence“に対し大木が述べた「汚れちゃったけど、生まれた時の真っ白な気持ちにいつか戻りたい。そんな思いを込めた」というライブでのコメントはアルバム全編を貫くテーマにもなっており、たとえば《太陽がくれた命さ/汚れたままであなたを探しに行くよ》(”Visitor“)、《あの日の空は確かに正しかったから/悲しみの夜を越えて 生まれ変わるんだ》(”Rebirth“)といった言葉たちが、何度も繰り返し、祈りの如き切実さをもって歌われていく。また、そうした確たるコンセプトが築かれる一方で、これまで以上に情報量が増した豊かなアンサンブル、とりわけ三位一体のリズムが本作にただならぬ迫力を与えているのも見逃せない。強い意志をもって綴られた言葉と、言葉以上の力を発し得ると信じて奏でられる音とのせめぎ合い。結成25周年。ACIDMANは今もなお、これほど真摯にロックバンドをやっている。(長瀬昇)
だからこそ迎えた今日だ
ACIDMAN『INNOCENCE』
発売中
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ALBUM