紅白に出演し、ROCK IN JAPANのトリを務め、『みんなのうた』を担い、直木賞作家とコラボをし、『ガンダム』のOPテーマに起用され……ありとあらゆる場所でクリエイティブを拡張し続けるYOASOBIの活躍ぶりはとどまることを知らない。「小説を音楽にするユニット」というコンセプトを強固に守っているところが地盤を支えているわけだが、今回タッグを組んだのはUSJ。学生応援キャンペーンのテーマソングを書き下ろすにあたり、USJでの思い出を募集し、そのエピソードを原作に楽曲を制作した。
“アドベンチャー”は新たな一日の始まりを表すかのような爽やかなアコースティックギターの旋律から始まる。妄想とは裏腹に淡々と過ぎる日々に風穴を開ける、笑顔が零れるかけがえのない約束の場所での時間が綴られていく。主人公の心情と呼応するように、リズミカルなシンセが入り、エモーションを高めていく。歌詞と音像が織りなす物語を鮮明にするikuraの歌の表情のつけ方がやはり素晴らしい。希代のストーリーテラー、YOASOBIの盤石さを改めて思い知る一曲だ。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)
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