しかしグリーン・デイは今回も徹頭徹尾、当事者の目線から「21世紀の崩壊」を歌う道を選んだ。ワーキング・クラス・ヒーローにすらなりえない、つまりパンクのクリシェを投げ捨てたジェネレーション・ゼロの地点で再び、混沌と絶望を射抜くパンク・ロックを鳴らすという、リセットの道を選んだ。だからこそ、このアルバムは『アメリカン・イディオット』を超える可能性すら秘めた傑作なのである。前作同様にロック・オペラの概観を擁し、コンセプチュアルで転調を多用した構成の作品ではあるが、本作の肝はそのコンセプトすらも崩壊させるほどの混沌であり、その混沌はもちろん世界の混沌と同義である。絶対的な敵が消えた今こそ、彼らは恒常的な敵と向き合おうとしている。パンクとは何か。まさかこの2009年に、その意味をど真ん中から問うアルバムに出会えるとは思わなかった。(粉川しの)
パンク・イズ・ノット・デッド
グリーン・デイ『21世紀のブレイクダウン』
2009年05月15日発売
2009年05月15日発売
ALBUM
しかしグリーン・デイは今回も徹頭徹尾、当事者の目線から「21世紀の崩壊」を歌う道を選んだ。ワーキング・クラス・ヒーローにすらなりえない、つまりパンクのクリシェを投げ捨てたジェネレーション・ゼロの地点で再び、混沌と絶望を射抜くパンク・ロックを鳴らすという、リセットの道を選んだ。だからこそ、このアルバムは『アメリカン・イディオット』を超える可能性すら秘めた傑作なのである。前作同様にロック・オペラの概観を擁し、コンセプチュアルで転調を多用した構成の作品ではあるが、本作の肝はそのコンセプトすらも崩壊させるほどの混沌であり、その混沌はもちろん世界の混沌と同義である。絶対的な敵が消えた今こそ、彼らは恒常的な敵と向き合おうとしている。パンクとは何か。まさかこの2009年に、その意味をど真ん中から問うアルバムに出会えるとは思わなかった。(粉川しの)