しかし、それが幸運にも大きな勘違いであったことが瞬時に理解できる、素晴らしいセカンド・アルバムである。モノトーンで刹那なまでに直線的だったガレージ・サウンドから一転、極彩色のサイケデリック、ふくよかで奥行きを感じさせるニュー・ウェイブが持つ痺れるような快感原則が、本作の隅々まで行き渡っている。今思えば、かつてのホラーズのガレージ・パンクとは固定されたスタイルではなく、これから色を重ねていくことを前提とした、無垢なるキャンバスだったということだろう。音楽オタクにしてアート至上主義の彼らだけに、ガレージの初期衝動をロックン・ロールの本質ではなく、「通過点」としてクールに見極められたことも、幾多の失敗例と彼らを分ける大きな要因となったのかもしれない。本作のプロデュースを務めたのはジェフ・バーロウとクリス・カニンガム。本作の構造的ブレーンがバーロウであるのは当然として、非音楽畑出身のカニンガムが参加しているのがいかにもホラーズらしい。音楽をアートとして捉え、グルとなる人物を欲する姿勢。スノビズムもここまで徹底しているとえらい。(粉川しの)
頭でっかちとスノビズムの勝利
ザ・ホラーズ『プライマリー・カラーズ』
2009年05月13日発売
2009年05月13日発売
ALBUM
しかし、それが幸運にも大きな勘違いであったことが瞬時に理解できる、素晴らしいセカンド・アルバムである。モノトーンで刹那なまでに直線的だったガレージ・サウンドから一転、極彩色のサイケデリック、ふくよかで奥行きを感じさせるニュー・ウェイブが持つ痺れるような快感原則が、本作の隅々まで行き渡っている。今思えば、かつてのホラーズのガレージ・パンクとは固定されたスタイルではなく、これから色を重ねていくことを前提とした、無垢なるキャンバスだったということだろう。音楽オタクにしてアート至上主義の彼らだけに、ガレージの初期衝動をロックン・ロールの本質ではなく、「通過点」としてクールに見極められたことも、幾多の失敗例と彼らを分ける大きな要因となったのかもしれない。本作のプロデュースを務めたのはジェフ・バーロウとクリス・カニンガム。本作の構造的ブレーンがバーロウであるのは当然として、非音楽畑出身のカニンガムが参加しているのがいかにもホラーズらしい。音楽をアートとして捉え、グルとなる人物を欲する姿勢。スノビズムもここまで徹底しているとえらい。(粉川しの)