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約1年ぶりのミニアルバムは、高校時代にデモを制作したポップソングからテレビアニメのオープニング主題歌、ピュアでセンチメンタルなクリスマスソング、ライブを想起させるコールを用いたハイテンションなロックナンバーなど、配信シングル2曲を含んだ制作時期や性質が異なる7曲を収録。明確なコンセプトがないぶん1曲1曲が独立した印象もあるが、だからこそコレサワというアーティストの特性が多面的に表れた作品になっている。ポジティブ思考の彼女の手に掛かれば「老い」すらも愛する人と支え合う理由になるし、動物的で外に明かすことが憚られる関係性もドラマチックで特別になる。高校生ながらにギター初心者のもどかしさを恋愛のそれとリンクさせた作詞には独自のセンスが光り、その言語化スキルは今作でも恋をしたときに襲われる複雑な心情やときめきを緻密に描くことで十二分に発揮された。音楽活動で磨かれた彼女の持ち味が、どの楽曲においても爽やかに花開く。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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