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前作“アポリア”から短いスパンで届けられるデジタルシングルとなったが、この新曲“太陽”は映画『正体』（監督：藤井道人、原作：染井為人）の主題歌として書き下ろされた。素朴なピアノの和音がゆったりとsuisの歌声を連れて進行し、アレンジは徐々に変化してゆくのだが、主旋律そのものは大きな変化を見せることなく、ミニマルに反復してゆく。人智を超えた、雄大な法則の中で時の流れを見つめるような、途方も無い想像力の広がりを音楽の力で描き出してみせた楽曲になっている。奇跡のような美しい出来事も、命の瞬きも、残酷な事件も等しく照らして日々を形成してゆく。まさに太陽の視点を獲得してしまったかのようなn-bunaのソングライティングの高まりに震えずにはいられない。この曲が映画の中でどのように聴こえてくるかも気になるところだが、一方ではMVを手掛けた永戸鉄也との、「太陽」をテーマにしたエキシビションも都内にて開催されるということで、想像力を刺激する表現の連なりが興味深い。（小池宏和）（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より）
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