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PIZZA OF DEATH RECORDS社長の横山健からの「たかがパンクロックじゃん?楽しんでやろうよ」という言葉がタイトルになったサバシスターの2ndアルバム。その言葉の裏にはバンドがパンクを選んだことによって生じた苦悩があることも感じさせるが、このアルバムはまさにそのパンクの楽しさを詰め込んだ作品だ。これまでのサバシスターにもあった、この題材が歌詞になるのかというシュールな曲もあるけれど、《心の奥うたえないなら音楽なんてやらない》(“テキトー”)など、1フレーズでパンクの本質を射抜く歌詞の曲が増えた。それはただツービートを鳴らすのではなくて、自分たちが信じる音を鳴らし、思っていることを歌うことこそがこのバンドにとってのパンクであるということ。つまりサバシスターにとってのパンクはスタイルではなくて姿勢だということを示すアルバムでもある。たかがパンクロックに救われた人たちが鳴らすこのパンクは、また誰かを救うパンクロックになる。16曲が一瞬で終わるのもまたパンクだ。(ソノダマン)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より)
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