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クリスティーナ・アギレラ『バイオニック』
2010年06月09日発売
ALBUM
クリスティーナ・アギレラ バイオニック
まずこのMP3時代に全23曲78分というボリュームからして圧倒的。しかも、ヒップホップによくあるスキットのようなものはほとんどなく、3曲のイントロは含むが、すべてれっきとした曲になっている。スタッフもそのボリュームにふさわしいもので、リンダ・ペリーやトリッキー・スチュワートといった売れっ子プロデューサーは勿論、M.I.A.やサンティゴールドによる楽曲まで収録し、果てはル・ティグラ(!)、レディトロンまで召還している。音楽的にもレディー・ガガ風のエレクトロに目を配りつつ、極上のソウル・ナンバーやピアノとストリングスによるバラード、ブードゥー・ダンス・ポップまで百花繚乱。質・量共に全面戦争を仕掛けてきた格好だ。

“ビューティフル”の大ヒットでハスッぱなアイドルを脱却し、前作ではルーツ・ミュージックを追求して、できる女をアピールしたアギレラ。その後、一児の母にもなったが、でもまだ「なりあがり」足りないのだろう。こういう欲望は嫌いじゃない。アギ様曰く「私は学んだの。すべての女性同様、時に私はバイオニック(超人)になれることを」とのこと。おみそれしました。(古川琢也)
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