完全復活、そんな言葉をリード・シングル“ショットガン”を聴いたとたんに思い浮かべた人も多いはず。今では当たり前のものとなったデビュー当時のミクスチャー感覚が持つ瞬発力や攻撃性は圧倒的で衝撃的でもあった（ラップ・メタルなんて言葉も懐かしい）。一瞬にしてシーンを席巻したがその後メンバーの入れ替わりで混迷が続いたのも事実。そしてついにギターのウェス・ボーランドが本格復帰しオリジナル・メンバーに戻った待望の一枚だ。成果は音の密度にストレートに反映した。勢いだけで突き進むのでなく、緩急をきっちりとつけながら、まったく隙もユルミもない緊迫感が続く。
　
無駄な音をそぎ落とした結果、どのトラックも3分弱から5分強に収められ、その中で高速ラップからロック的なコーラス、炸裂しまくるギターがあったりと、変化は激しいが自信と確信がすべての音にみなぎっている。“ウォーキング・アウェイ”での泣きメロや激烈なタイトル・トラック、さらにカート・コバーンに言及した曲やライブで盛り上りそうな“ホワイ・トライ”など、曲も粒ぞろい。セカンド、サードの絶頂感を思い出させる。(大鷹俊一)