『エイトビート』のインタビューのときに、前２作より節操がなくなってきてる気がするとヒロトは語っていたが、まさに！と手を打ってしまうような新曲。これまでのクロマニヨンズからは考えられなかった軽快なモータウン・ビートで幕を開け、歌詞はより饒舌になっている。そして、大サビでは壮大なコーラスが待ち受ける。だけど、すごいのは、にもかかわらず、完璧なパンク・ロックになっていること。パンクじゃなくて、パンク・ロック。音楽的にはパンクじゃないのだけど、アレンジやプレイの一つ一つがパンクなロックンロールであることを語っている。特にマーシーのギター。そのリズムの捉え方も含めて、まるでクラッシュみたい。これが実にカッコいい。

２曲目の“オレなとこ”は、ヒロトならではの詞が炸裂する爆走ロックンロール。３曲目はマーシー作詞作曲の“たこあげ大会”。ハーモニカが絡む、いなせなロックンロールだが、マーシーならではの哀愁が漂う。ついに見えてきたアルバムのタイトルは『FIRE AGE』。ロックンロールの原点に立ち返った彼らはついに火を手にした。（古川琢也）