僕らの輝ける「出会い」と「別れ」

BUMP OF CHICKEN『グッドラック』
2012年01月18日発売
SINGLE
BUMP OF CHICKEN グッドラック
大切な人とのいくつもの「別れ」の風景を、人生と生命の誇らしき旅の足跡としてエモーショナルに描ききってみせた映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(1月21日公開)。前作『続・三丁目~』では聖歌の如き祈りに満ちた名曲“花の名”を生んだ藤原基央が、監督・山崎貴からの熱烈なラブコールに応えて書き下ろしたこの“グッドラック”で綴っているのは、彼のブルース・サイドの結晶とでも言うべき鋭利な批評性でもって活写した、僕らの「出会い」と「別れ」の場面に渦巻く感情のすべてだ。大切な人がいるからこそ僕らの胸を突き上げる寂しさ。人間は大切な人との「別れ」に際して初めてその人のことを真っ向から見ることができるという命題……それらひとつひとつを、ミドル・テンポの切実なビートに乗せて、聴く者の心に焼きつくほどの熱い願いとともに歌い上げる藤原。悲劇越しの生命賛美とはまったく別の形で僕らの人生を力強く鼓舞する『三丁目の夕日'64』と“グッドラック”。その2作が重なり合って織り成すメッセージは、2012年の僕らへの何より力強い道標となり得る輝きを持っている。(高橋智樹)
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