脳にはビート 眠りには愛を今年1月にギターの清水が脱退するも、すぐに旧知のバンド仲間の中野が加入し、止まらずに走り続けてきたlostageから、現メンバーでの初音源となるミニアルバムが届いた。1曲目の“AMPLIFIED TEENAGE STRESSES AND STRAINS”から、全ての音のスリリングな絡みで、今のバンドグルーヴに何の問題もないことを見せ付ける。そして、4曲目の“テレピン、叫ぶ”では、岩城のドラムソロを筆頭に、各々の個性が見え隠れするトリッキーな展開を披露。また5曲目の“PURE HONEY”は、キュートと刹那が明滅するlostage史上最高のポップチューン!と、どの曲も様々な方向に振り切れているのだ。彼らは、ライブを見れば一目瞭然な繊細な感性や、話をすると尽きることがない音楽への愛情と知識を持っているが、それを今作で存分に解放したと言えるのではないだろうか。もっと言えば、その硬くトンがったパンクな意志を、どんな楽曲にも溶け込ませることができるようになったんだと思う。飽くなき挑戦を続けつつも薄まらぬその表現は、ますます日本のロックの至宝と化してきている。(高橋美穂)