サマソニ来日に期待のUK新人

ピース『イン・ラヴ』
2013年04月24日発売
ALBUM
ピース イン・ラヴ
英バーミンガム出身の4人組ピースのデビューアルバム。なかなか掴み所の難しいバンドだと思っていたのだが、2月に12公演が行われたNMEアウォーズ・ツアーでは、ジャンゴ・ジャンゴにマイルズ・ケイン、パーマ・ヴァイオレッツらと並んで登場したという抜擢ぶりで、本作を聴いて納得した。ピースのサウンドには、ビートルズもザ・フーもポリスもエコバニもローゼズもヴァーヴも混在している。ロックンロールだったり甘いサイケ・ポップだったりグルーヴ・ロックだったりと、取り留めがないのだ。しかしその中でも、強烈なUKロックの手応えを残す。

インターネット時代のロックに、限定された地域の歴史性を無邪気に刻みつけることは困難だ。ピースの4人にとっては単純に好みで選び取った音なのかも知れないが、この半ば奇跡的なUK保守サウンドで盛り上がる構造は分かる。ただし、今回のアルバムの中でさえ模索と成長が手に取るように分かるので、今後はまた凄い勢いで変化するのかも。デビューEPの収録曲なども含め日本盤は全16曲の大ヴォリューム。僕はオリジナル盤の曲順でもプレイリストを作って聴いている。(小池宏和)
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