今、音楽のカッコよさとは熟成するものではなく、「選ぶもの」である。音楽のフォーマットなんて目の前にいくらでも広がっているのだ。踊りたければ踊れる音楽を選んで演ればいい。コンポラの前作はまさにそうだった。アジカンもバンプもラッドも鳴っていた。そしてそのしたたかさがとんでもなくカッコよかった。
しかし、本作はどう聴いてもコンテンポラリーな生活のロックである。己のセンスに気付き、時代を背負おうと覚悟した朝日廉が本作を引っ張っている。その一方で、まだ斜に構えていたい朝日廉も垣間見える。《本当の言葉を伝えてよ/「ありがとう」とかそんなんでいいさ》――と照れて歌う“ゴミ箱人間さん”なんて最高にチャーミングだ。革命は今、孤高のロックスターが起こすものじゃない。ちょっと孤独な隣のヤツがふとした瞬間に起こしちゃうものだ。30回くらい聴いたけどわくわくが止まらない。(小栁大輔)