哀しみと喜びの日々をささやかに祝福するように、繊細に、穏やかに、躍動するワルツ。バンドサウンドと室屋光一郎のアレンジによるストリングスが曲を彩るが、決して派手な装飾にはならず、あくまでも中心に聴こえ…
DTMソフトを駆使して編曲まで手掛けるのが彼女の基本だが、外部アレンジャーの手を借りることも増えている。イレギュラーな音が盛り込まれた「Solo.ver」、スタイリッシュな仕上がりの「Band ver.」の2種類がある…
楽曲としては常田大希とタッグを組んだ“KICK BACK”以来となるが、あの狂躁的なテンションからは急展開と言えるだろう。2023年最初のリリースとなったこの“LADY”で米津玄師は、mabanuaを共同編曲と演奏に迎え、…
ドラマ『波よ聞いてくれ』の主題歌として書き下ろされたこの曲。もちろんドラマのストーリーにしっかりフォーカスを合わせながらはっとりは歌詞を書いたのだろうし、ラジオのチューニングノイズのようなシンセサイ…
思えばBUMP OF CHICKENはずっと日本のポップミュージックシーンにおける秘境のような存在であり続けてきた。親しみやすく、それなのに、彼らの音楽はいつだって謎に満ちていた。そんな秘境に溢れる謎は未だ膨張し…
高校在学中から注目を集め、ネオソウルやジャズといったエッセンスを織り込んだサウンドで当時から只者ではない雰囲気をビシバシ感じさせた彼女たちも全員が20歳となり放つ2ndフルアルバム。昨年9月に発表した3rdE…
2019年と2022年のライブ映像作品を同時発売する、という大胆さに恐れ入った。単に「初野外」と「初さいたまスーパーアリーナ」を含む主催イベントの映像化だと思えばなんら不思議はないが、その間にはパンデミック…
ソロ活動35年目の2022年、最新ベストのリリースと前後して盛大に繰り広げられた全国ツアーの東京ドーム2デイズから、特別編集の26曲を本編収録した映像作品。土砂降りの雨を避けるように飛び込んだ場末のバーを舞…
映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』主題歌として予告編で届けられた《ごめんねに込めた ありがとうのよう》という歌詞から、曖昧な感情を肯定する優しい歌を想像した。だがフルで聴くと、「あな…
ストイックに磨き込まれたタイトなダンスビート。その上に絢爛な彩りと豊かな躍動感を加えていくギターのカッティングプレイ。そして、真行寺貴秋(Vo)の情熱と優しさに満ちたソウルフルなボーカル。それらすべて…
アニメ『魔入りました!入間くん』のエンディングテーマ“鍋奉行”の中毒性に、親子でまさしく参っていたら、2ndEPである本作も、全6曲で6種類の中毒性が味わえる仕上がりだった。詩羽が加入してから、これまでの…
ちゃんみなの火力が最大出力された約1年半ぶりの最新作。武道館で大成功を収め、昨年には韓国デビューを果たしたが、その裏でこの17曲すべてに彼女の魅力が詰まった大作を作り上げていたとは。本作がこれだけの熱…
ダンス&ボーカルグループ文化の発展と更新の重要部分を担ってきたw-inds.の橘慶太がトラックプロデュースを務めた表題曲“Smile Again”。ミニマルなトラックで幻想的な雰囲気を纏うAメロから始まり、サビでは雲…
「閉塞感」「モヤモヤ」「爆発力」「やるせなさ」「ダンサブル」「ドラマチック」「息苦しさ」「躍動感」……このバンドに関して思い浮かぶ印象を大雑把に羅列していたら、互いに矛盾しているとしか思えない言葉が…
既に、今年7月にフルアルバム『ANTENNA』をリリースすることを発表しているミセスだが、その前に、今の彼らのスケールの大きさと自由を強く感じさせる新曲が届けられた。ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』の主題歌とし…
大阪の4人組ガールズバンド、ヤユヨの3作目のミニアルバム。昨年の春あたりから、本格的に全国のフェスに出始めたバンドで、各地で何度か観た。その頃の印象があったもんで、この音源を聴いてちょっと驚いた。もっ…
前作『era』が片桐(Vo・G)の私小説をポップスとして着地させた作品ならば、今作ではより広い視野で捉えられた物事や心情を物語として昇華し、バンドとしての特性を活かしながら枠にとらわれない音楽表現を追求し…
2019年に結成された6人組バンドのOchunism(読み:オチュニズム)による、通算3作目にしてメジャー1stアルバム。ロックやR&B、ファンク、さらにはベースミュージックやトラップのグルーヴまでもバンド演奏に取り込…
昨年の『cubism』でかつてないほどオープンでポップな一面を見せたおいしくるメロンパンは、ライブツアーを経てその躍動感をさらにアップデートさせたのだと思う。新作『answer』が描き出す音像はさらにブライトで…
公式プロフィールで「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」と明言しているmoon drop。今作に収録されている11曲もすべてがラブソングだ。幸せな日々、温かな幸福、悲しい別れ、終わった恋の残像、満た…
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