Maison book girl 、「幻想」と「郷愁」の世界が極まった新作『elude』インタビュー

初めてライブを観てくださった人が「みんながピーター・パンに見えたよ!」って(コショージメグミ)


──この組み合わせが持っている可能性を見出したサクライさんの感性に、ファンは感謝しているはずです。最近のライブでのみなさん姿は、おとぎの国の妖精っぽさがあって、本当にワクワクさせられるものがあるんですよ。

井上 妖精ですか? そんなことを言ってくださるとは(笑)。

コショージ この前、東京キネマ倶楽部でライブをやった時、初めてライブを観てくださった人が「みんながピーター・パンに見えたよ!」って言っていました。「コショージさんがピーター・パンで、葵ちゃんがティンカーベルで、唯ちゃんがお姉さんの子かな」って言ったので、「じゃあ、和田は?」って訊いたら「うーん……じゃあ、ワンちゃんで」と

和田 ワンちゃんかあ……。

矢川 「じゃあ」って、残ったやつってことだね。

井上 適当や!(笑)。

コショージ 和田、ワンちゃんでもいい?

和田 いいよ。でも、おりこうだからね!(笑)。

──(笑)浸りたくなる心地よい幻想的な世界が広がっているという点で、ブクガを「ピーター・パン」に喩えたその人の気持ちは、僕もすごくよくわかります。曲はもちろん、MVとかアートワークを通じても、そういう世界をすごく形にできているのが、ブクガですから。「忘れることを覚えた服」というコンセプトの今回の衣装も画期的じゃないですか。

矢川 今回の衣装は、AIに千鳥格子模様を一旦覚えさせた後に、意図的に忘れさせて生地にプリントしたんです。

──光が当たると模様が浮かび上がる特殊プリントが施された衣装なんですよね?

矢川 はい。「AIに忘れさせたら面白いんじゃないかな?」っていうのがあったんじゃないですかね

コショージ AIが千鳥格子模様を完全に覚えている状態が100%だとしたら、そこから数字を小さくしていく感じだったみたいですね。忘れて行く過程のちょうどいいところで止めて印刷したそうです

──ブクガはテクノロジー面の斬新さもどんどん採り入れていますし、ライブも演劇的な要素を積極的に盛り込むようになってきていますよね。去年末のZepp DiverCityでのライブ『Solitude HOTEL 4F』は、ステージ上に置いてあった時計が突然逆行して「過去に遡った」という設定の空間になったり、未来に進んだりもして、お客さんのいろんな解釈を呼ぶものになっていましたが、あれもびっくりしました。

コショージ あのライブは、まずみんなで話し合うところから始まったんです。

矢川 やりたいことを出し合ったんですよ。

和田 ぼんやりしたアイディアを出し合っただけでしたけど。

コショージ その後に私がセトリを組んで渡したら、最終的にああいう形のものになっていたんです。

井上 私たちが出したアイディアは、「途中で衣装を変えよう」というようなことぐらいだったんですけど、いろんな要素が加わったんですよね。

──あのライブも、パラレルワールドの感じがありましたよね。ラストは、今のこの4人編成でブクガの初ライブの日に遡っていましたが、「もしかしたらあり得たかもしれないもうひとつの世界を表現している」と、僕は解釈しました。

井上 なるほど。

──あと、不穏な響きのノイズとか稲光みたいな照明に包まれたステージ上を4人がそれぞれ別の雰囲気の服を着て、他人のようにすれ違った中盤の場面も、すごく印象に残っています。

井上 あそこはYouTubeにアップした映像を観たら、めっちゃ怖い雰囲気でしたね。

和田 あのシーンは、私たちの中で共有している設定はありました。

井上 サクライさんは、「ライブなんだから、自由に動いていいから」って言っていたんですけど。

コショージ でも、「自由にやっていい」というだけだと掴みようがなくて、どうしようもなかったんですよね(笑)。だから「自分たちで設定を考えます」っていうことになって、登場する順番とか、出ハケのタイミングとかも自分たちで考えたんです。

──あの場面は、「時空の歪みによって複数のパラレルワールド同士が一時的に絡まり合ったシーン」として僕は勝手に解釈しているんですけど、みなさんの中ではどういう設定だったんでしょう?

井上 その解釈、良いですね。でも、それに関しても明かさないことにします。

私たちのライブは、「こわくないよ~」ってことも言っておきたいです。1回行ってみたら、平気なことがわかると思います(矢川葵)


──わかりました(笑)。そういう斬新なライブの全編の動画がYouTubeで公式にアップロードされているんですから、ブクガってミステリアスなのか開けっぴろげなのか、よくわからないところもありますよね。

コショージ いろんなことを教えたくないくせに、みんなに観てほしいっていうのが、私たちのスタッフなんですよねえ。

矢川 あまのじゃく(笑)。

和田 かまってほしいんでしょうねえ。

井上 ビジュアルとか見るだけじゃどういうライブをするのか想像できないと思うので、YouTubeとかで観て、興味を持っていただければ、こっちのもんです。

──ブクガのライブに関しては、前回の取材の時に「来ないとモテないぞ!」っておっしゃっていましたが、今後のライブにも来ないと、いよいよさらにモテなくなるんでしょうか?

コショージ モテないですねえ。

和田 一生、金輪際モテないですよ。逆に、ブクガのライブに来たらモテます。

井上 そんなこと言うと、すごい責任が生じるけど(笑)。

矢川 私たちのライブは、「こわくないよ~」ってことも言っておきたいです。1回行ってみたら、平気なことがわかると思います。

コショージ だまされたと思って、1回来てほしいんですよ。私、ヤバイTシャツ屋さんとか、魔法少女になり隊とかと友達なんですけど。

矢川 7月の『ピエールフェス』にも出ます!

コショージ 凛として時雨のピエール中野さんも友達です……と、rockinon.comのインタビューなので言わせてください(笑)。

──(笑)中野さんがドラムを叩いているカオティック・スピードキングがみなさんのバックで演奏するバンド編成のライブも、どんどんかっこよくなっていますよね。

井上 バンド編成のライブは、たまにしかやらないから、成長が見えやすいかもしれないですね。私たちとしてもだんだん歌いやすくなってきていますし、バンドのメンバーのみなさんも「慣れてきたね」っておっしゃってくださっています。嬉しいですね。

コショージ 自分たちが試される機会が、これからもたくさんあるはずので、そこでちゃんと負けないようにしないといけないなと思っています。


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