9月1日(土)、幕張メッセにて「RockCorps supported by JT 2018」のセレブレーションイベントが開催される。出演アーティストはBLUE ENCOUNT、KEYTALK、加藤ミリヤ、でんぱ組.inc、海外からエリー・ゴールディングの計5組。入場条件が興味深く、事前にボランティアプログラムへ参加することにより、セレブレーション(ライブ)を無料で観ることができるという流れになっている。まったく新しい音楽体験を提供する「RockCorps」、その魅力に迫ろう。
文=秋摩竜太郎
合言葉は「Give, Get Given(与えて、はじめて与えられる)」
2005年、アメリカでRockCorpsプロジェクトはスタートした。基本理念は「Give, Get Given(与えて、はじめて与えられる)」というもの。ボランティア活動とライブ観覧を紐づけた試みに、多くの地域やアーティスト、リスナーが賛同の意を表し、その環は徐々に広がっていく。2008年にイギリス・ロンドン、2009年にはフランス・パリでイベントが開催され、レディー・ガガ、デビット・ゲッタなど著名アーティストも続々参加。2010年、13,500人のボランティアを迎えイスラエルで、2013年には世界9ヵ国目となるオーストラリアで取り組みが行われた。
アメリカからヨーロッパ、さらに中東、オセアニアへと広がったこの波が日本へ届いたのは2014年のこと。東日本大震災からの復興を目的に、関東・東北エリアでボランティアイベントを複数実施。NE-YO、コブクロ、May J.、flumpoolを迎え、福島県あづま総合体育館にて開催されたセレブレーション公演には4,103名のオーディエンスが駆けつけた。
以降、2015年に中島美嘉、PUFFY、HOME MADE 家族、will.i.am、2016年にカーリー・レイ・ジェプセン、ASIAN KUNG-FU GENERATION、HY、Aqua Timez、2017年にFifth Harmony、miwa、SPYAIR、andropを招聘。その活動は毎年継続されている。
ボランティアの成果も着実に積み上げている。震災を経て放棄された農地を再活用するために植えられたオリーブの本数16,000本、整備したオーガニックコットン畑の広さ9.4ha、清掃した海岸の広さ東京ドーム76個分、仮設住宅に訪れた人数1,521人、津波で被害を受けた写真を修復した枚数37,190枚、事業再建調査の歩行距離3,793kmなどが挙げられる。
2016年にはRockCorps公式アンバサダーが新設され、初年度より3年連続で、今年もその任を担うのは高橋みなみである。4月12日(木)、記者発表会を終えたその足で、彼女は実際に渋谷公園通りでの花壇の植え替え作業を手伝った。以下コメント。
「今年もRockCorpsの公式アンバサダーを務めさせて頂くことになり、とても光栄に思います。RockCorpsは、ボランティアに今まで参加する機会がなかった方でも、音楽をきっかけに参加することができる新しい社会貢献のカタチとして、とても素晴らしいイベントです。私自身もボランティアに参加させて頂いた際に、笑顔の輪が広がっていくのを実感し、嬉しくなったのを覚えています。また、ボランティアを共にした仲間と、セレブレーションを楽しめることも、RockCorpsの魅力の一つです。皆さんと5年目のRockCorps盛り上げていけるように頑張りたいと思っています!『セレブレーション』でお会いしましょう!」
ボランティアってどんなことするの? 参加方法は?
じゃあ実際ボランティアってどんなことするの? 参加方法は?と思ったあなたもご安心を。まずは公式サイトをチェックしよう。そしてボランティアプログラムが掲載されたページへジャンプ。すると多くのプログラムが表示されるので、気になるものを選び、エントリーするだけ。関東近郊、福島県を中心に、公園や河川などのクリーンアップ、国際交流活動、古民家再生作業、マラソン大会の運営など、地域貢献につながるプロジェクトが多数ラインナップされている。その一部を紹介する。
「住みやすい、歩きやすい、まちづくりの実現のために、千代田区・中央区のバリアフリーマップづくりをしよう!」
「100年前のアーチ橋を水面に映す、姿池をピカピカにしよう!」
「東日本大震災で被災した写真をデジタル化して劣化から守ろう!」
「RCで国際交流ができる!ベトナム留学生との農業体験で国際交流ボランティア!」
もちろん仮設住宅のメンテナンスをはじめ、復興支援活動も含まれている。
「オーガニックコットンで未来を拓け!いわきの畑再生プロジェクト」
「地域の方とのあたたかい交流が魅力!仮設住宅でのメンテナンス活動」
福島県知事・内堀雅雄氏も、「昨年、一昨年と、私自身もボランティア活動に参加して、汗も拭かずに懸命に作業をされる皆さんのお姿を拝見し、一人一人の力は小さくとも、多くの人々の力が集まれば、『困難』を『希望』に変えるような巨大なエネルギーになることを実感いたしました。今年も、福島でのボランティア活動を継続いただくこととなり、参加される皆さんには、是非、復興が進む福島の『今』を実際に見て、感じていただきますとともに、本県の誇る豊かな自然、奥深い歴史や伝統文化、おいしい食、温かい人柄など、様々な魅力にも触れていただけたら、こんなにうれしいことはありません」と語る。
サイトでの登録を済ませたら、あとは当日を待つのみ。動きやすい服装で集合し、RockCorpsオリジナルTシャツとグローブでボランティアスタート! ひとりで参加する人も多いようだが、おそろいの服を着て、ともに汗を流せば新たな友情も芽生えるかも。約4時間のボランティアを無事に終えれば、9月1日(土)、幕張メッセで行われるセレブレーションへ入場するための「セレブレーションチケット」が配布される。